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【医師監修】その胃のキリキリ、放置しないで!考えられる原因と効果的な対処法、病院受診の目安を徹底解説

  • 院長
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 16分

更新日:2 日前


「胃がキリキリする」「みぞおちのあたりが締め付けられるように痛い」

誰もが一度は経験したことのある、不快な胃の痛み。一時的なものであれば様子を見ることもできますが、頻繁に繰り返したり、痛みが強かったりする場合は、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。

この記事では、胃がキリキリ痛む場合に考えられる主な原因から、自分でできる応急処置、予防法、そして医療機関を受診すべきタイミングまで、詳しく解説していきます。胃の不調にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の症状と照らし合わせながら適切な対処法を見つけてください。


【この記事でわかること】

  • 胃がキリキリ痛む主な原因(ストレス、食生活、病気など)

  • 自宅でできるセルフケア・応急処置

  • 市販薬の上手な選び方と注意点

  • すぐに病院に行くべき危険な症状

  • 病院での検査内容と治療法

  • 胃のキリキリ感を予防するための生活習慣

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。


1. なぜ?胃がキリキリ痛む主な原因


胃がキリキリと痛む原因は様々ですが、大きく分けて「生活習慣に起因するもの」と「胃やその周辺の臓器の病気に起因するもの」があります。

1-1. ストレス:現代人に多い「心」と「胃」のつながり

現代社会で避けて通れないのがストレスです。仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、環境の変化など、様々な要因がストレスとなり、私たちの心身に影響を与えます。特に胃腸はストレスの影響を受けやすい臓器として知られています。


メカニズム:

  • 自律神経の乱れ: ストレスを感じると、交感神経が優位になり、胃の血管が収縮して血流が悪くなります。これにより、胃粘膜の防御機能が低下します。

  • 胃酸分泌の異常: ストレスは胃酸の分泌を過剰にしたり、逆に抑制したりします。胃酸が過剰になると胃粘膜を傷つけ、キリキリとした痛み(胃酸過多)を引き起こしやすくなります。

  • 胃の運動機能の低下: ストレスにより胃の蠕動運動が鈍くなると、食べ物が胃の中に停滞しやすくなり、胃もたれや不快感、痛みを感じることがあります。


特徴:

  • 特定の状況下(会議前、苦手な人に会う前など)で痛みが強くなる。

  • 痛みの程度が変動しやすい。

  • 胃痛以外の症状(頭痛、肩こり、不眠など)を伴うことがある。

ストレス性の胃痛は、一時的なものもあれば、「神経性胃炎」や後述する「機能性ディスペプシア」のように慢性化することもあります。


1-2. 食生活の乱れ:胃への直接的な負担


毎日の食事が胃の健康に与える影響は非常に大きいものです。以下のような食習慣は、胃に負担をかけ、キリキリとした痛みを引き起こす原因となります。

  • 暴飲暴食: 一度に大量の食べ物を摂取すると、消化のために胃酸が多く分泌され、胃の粘膜を刺激します。また、胃が過度に拡張されること自体も痛みの原因となります。

  • 早食い: よく噛まずに飲み込むと、消化が悪くなり、胃に負担がかかります。

  • 不規則な食事時間: 食事時間がバラバラだと、胃酸分泌のリズムが乱れ、空腹時に過剰な胃酸が粘膜を刺激することがあります。

  • 刺激物の過剰摂取:

    • 辛いもの(香辛料): 唐辛子などに含まれるカプサイシンなどが胃粘膜を直接刺激します。

    • 脂っこいもの(脂肪分): 消化に時間がかかり、胃に長く留まるため、胃もたれや痛みを引き起こしやすくなります。

    • カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど): 胃酸の分泌を促進します。

    • アルコール: 胃粘膜を直接刺激し、炎症を引き起こすことがあります。また、胃酸分泌も促進します。

    • 炭酸飲料: 胃を膨らませ、刺激を与えることがあります。

  • 冷たいもの・熱すぎるもの: 極端な温度の飲食物は、胃粘膜への刺激となります。

これらの食習慣は、一時的な胃痛だけでなく、慢性的な胃炎や胃潰瘍のリスクを高める可能性もあります。


1-3. 胃や十二指腸の病気:放置すると危険な場合も


キリキリとした胃痛が続く場合、胃や十二指腸に何らかの病気が隠れている可能性があります。代表的な病気をいくつかご紹介します。

  • 急性胃炎:

    • 原因: 暴飲暴食、ストレス、アルコールの飲みすぎ、薬剤(特にNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬)、ウイルスや細菌感染(アニサキスなど)などが原因で、胃の粘膜に急性の炎症が起こる状態。

    • 症状: 急なみぞおちのキリキリとした痛み、胃もたれ、吐き気、嘔吐、食欲不振など。原因によっては発熱を伴うことも。

  • 慢性胃炎:

    • 原因: 長期間にわたって胃の粘膜に炎症が続く状態。主な原因は**ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)**の感染ですが、ストレス、加齢、食習慣、自己免疫なども関与します。

    • 症状: キリキリとした痛みのほか、胃もたれ、胸焼け、食欲不振、膨満感など、症状は様々です。無症状の場合もあります。慢性胃炎が長く続くと、胃粘膜が萎縮する「萎縮性胃炎」となり、胃がんのリスクが高まることが知られています。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:

    • 原因: 胃酸によって胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれた状態(潰瘍)になる病気。主な原因はピロリ菌感染とNSAIDsです。ストレスや喫煙も悪化要因となります。

    • 症状:

      • 胃潰瘍: 食後の比較的早い時間にみぞおち付近にキリキリとした痛みを感じることが多い。

      • 十二指腸潰瘍: 空腹時や夜間にキリキリとした痛みを感じることが多い。食事をとると一時的に痛みが和らぐ傾向があります。

    • 合併症: 潰瘍から出血すると吐血(赤い血やコーヒーかすのようなものを吐く)や下血(黒いタール状の便が出る)が見られます。ひどい場合は潰瘍が深くなって胃や十二指腸に穴が開く「穿孔(せんこう)」を起こし、激しい腹痛を引き起こすこともあります(この場合は緊急手術が必要です)。

  • 機能性ディスペプシア (Functional Dyspepsia, FD): 

    • 原因: 胃カメラなどの検査をしても、潰瘍やがんといった器質的な異常が見つからないにも関わらず、胃もたれやみぞおちの痛み(心窩部痛)、早期満腹感などの症状が慢性的に続く状態。原因は完全には解明されていませんが、胃の運動機能の異常(食べ物を十二指腸へ送る動きが悪い、胃がうまく広がらないなど)、胃の知覚過敏(わずかな刺激で痛みを感じやすい)、ストレス、遺伝的要因、感染性胃腸炎の後遺症などが複合的に関与していると考えられています。

    • 症状: キリキリとした胃痛、胃もたれ、食後の膨満感、すぐにお腹がいっぱいになる感じなど。ストレスで症状が悪化しやすい傾向があります。

  • 逆流性食道炎:

    • 原因: 胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気。加齢による下部食道括約筋(胃と食道のつなぎ目にある筋肉)のゆるみ、肥満、食生活(脂肪分の多い食事、食べ過ぎ)、姿勢(前かがみ姿勢、猫背)、腹圧の上昇(妊娠、便秘など)が原因となります。

    • 症状: 主な症状は胸焼けや呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)ですが、人によってはみぞおち付近のキリキリとした痛みとして感じることもあります。喉の違和感や咳の原因になることも。

  • 胃がん:

    • 原因: 胃の粘膜細胞ががん化する病気。ピロリ菌感染、喫煙、塩分の多い食事、野菜・果物不足などがリスク要因とされています。

    • 症状: 初期は無症状のことが多いですが、進行するとキリキリとした持続的な痛み、食欲不振、体重減少、吐き気、貧血、黒色便などの症状が現れることがあります。早期発見・早期治療が非常に重要です。


1-4. その他の原因

上記以外にも、以下のような原因で胃がキリキリと痛むことがあります。

  • 薬剤の副作用: 特にNSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリンなど)は胃粘膜を荒らし、胃炎や潰瘍の原因となります。ステロイド薬、一部の抗生物質、骨粗しょう症の薬なども胃腸症状を引き起こすことがあります。

  • ピロリ菌感染: 慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんの主要な原因菌です。感染していても無症状の場合が多いですが、胃の不調を引き起こすことがあります。

  • 睡眠不足: 自律神経のバランスを崩し、胃の不調につながります。

  • 喫煙: 胃粘膜の血流を悪化させ、防御機能を低下させます。また、胃酸分泌を促進するとも言われています。

  • 他の臓器の病気: 胆石症、胆嚢炎、膵炎、虫垂炎、心筋梗塞など、胃以外の病気でも、みぞおち付近に痛みを感じることがあります(関連痛)。特に胸の痛みや背中の痛みを伴う場合は注意が必要です。




2. 自宅でできるセルフケア・応急処置


急な胃のキリキリとした痛みを感じたとき、まずは落ち着いて以下の対処法を試してみましょう。ただし、症状が強い場合や後述する「病院に行くべき症状」がある場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診してください。

2-1. 安静にする

まずは楽な姿勢で休み、胃への負担を減らしましょう。ベルトや衣服を緩め、横になる場合は、体の右側を下にする(胃の出口が下になり、内容物が流れやすくなる)か、少し上半身を起こした姿勢が楽な場合があります。

2-2. 腹部を温める

使い捨てカイロや湯たんぽ、温かいタオルなどで腹部を優しく温めると、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減されることがあります。ただし、炎症が強く熱を持っているような場合(急性胃炎の一部など)は、温めることでかえって症状が悪化する可能性もあるため、様子を見ながら行いましょう。

2-3. 食事の調整

  • 症状があるとき: 胃を休ませるために、一時的に絶食するか、ごく少量の水分(白湯、常温の麦茶など)のみ摂取します。痛みが少し落ち着いてきたら、消化の良いものを少量ずつ摂取しましょう。

    • おすすめの食べ物: おかゆ(重湯から徐々に)、よく煮込んだうどん、すりおろしリンゴ、豆腐、白身魚、鶏のささみ、半熟卵、野菜スープ(具は柔らかく煮込む)など。

    • 避けるべき食べ物: 脂っこいもの、刺激物(辛いもの、酸っぱいもの)、食物繊維の多いもの(きのこ、海藻、ごぼうなど)、硬いもの、冷たいもの、熱すぎるもの、カフェイン、アルコール、炭酸飲料。

  • 食べ方: よく噛んで、ゆっくり時間をかけて食べることを心がけましょう。


2-4. 市販薬(OTC医薬品)の活用

症状が軽い場合は、市販の胃薬で対応できることもあります。ただし、原因に合った薬を選ぶことが重要です。薬局やドラッグストアの薬剤師・登録販売者に相談して選びましょう。

  • 胃酸分泌抑制薬(H2ブロッカー、PPI): ガスター10(H2ブロッカー)など。過剰な胃酸の分泌を抑えるため、胃酸過多によるキリキリした痛み、胸焼けに効果が期待できます。PPI(プロトンポンプ阻害薬)はより強力に胃酸を抑えますが、市販薬の種類は限られます。

  • 胃粘膜保護・修復薬: スクラルファート、テプレノン、セルベックス(成分名:テプレノン)など。胃の粘膜を保護したり、荒れた粘膜の修復を助けたりします。

  • 制酸薬: 炭酸水素ナトリウム、合成ヒドロタルサイトなど。出過ぎた胃酸を中和して、速やかに痛みを和らげる効果があります。効果は一時的です。

  • 消化酵素薬: ジアスターゼ、リパーゼなど。消化を助け、胃もたれなどに効果があります。

  • 健胃薬(生薬配合など): 胃の働きを高める作用が期待されます。

  • 鎮痙薬(抗コリン薬): ブチルスコポラミン(ブスコパンA錠など)。胃の異常な痙攣(けいれん)を抑え、差し込むような痛みに効果があります。ただし、緑内障や前立腺肥大のある方は使用できないなど、注意が必要です。

市販薬使用上の注意点:

  • 症状に合った薬を選ぶ: 自分の症状(痛み、胸焼け、もたれなど)を伝え、適切な薬を選んでもらいましょう。

  • 用法・用量を守る: 説明書をよく読み、決められた量を守って服用してください。

  • 長期連用は避ける: 市販薬は一時的な症状緩和を目的としています。数日間服用しても症状が改善しない、または悪化する場合は、服用を中止し、医療機関を受診してください。安易な長期連用は、根本的な原因の発見を遅らせる可能性があります。

  • 他の薬との飲み合わせ: 服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

  • 副作用に注意: 眠気、口の渇き、便秘などの副作用が出ることがあります。


2-5. ストレスケア

ストレスが原因と思われる場合は、リラックスできる方法を取り入れましょう。

  • 深呼吸: ゆっくりと腹式呼吸を行う。

  • 軽い運動: ウォーキングやストレッチなど、気分転換になる程度の運動。

  • 趣味の時間: 好きなことに没頭する時間を作る。

  • 入浴: ぬるめのお湯にゆっくり浸かる。

  • アロマテラピー: リラックス効果のある香り(ラベンダーなど)を活用する。

  • 十分な睡眠: 質の良い睡眠を確保する。

  • 相談する: 信頼できる人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。


3. こんな症状は要注意!すぐに病院へ行くべきサイン

胃のキリキリとした痛みでも、以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに速やかに医療機関(内科、消化器内科、胃腸科)を受診してください。夜間や休日の場合は、救急外来の受診も検討しましょう。

  • 我慢できないほどの激しい痛み

  • 痛みがどんどん強くなる

  • 痛みが長時間(半日以上など)続く

  • 市販薬を飲んでも全く改善しない、または悪化する

  • 吐血(新鮮な赤い血、あるいは黒褐色でコーヒーかすのようなもの)

  • 下血(真っ黒でドロっとしたタール状の便)

  • 高熱(38℃以上)を伴う

  • 冷や汗が出る、顔面蒼白

  • 急激な体重減少(特に食事制限をしていないのに)

  • 強い吐き気や繰り返す嘔吐

  • 食べ物や水分が全く摂れない

  • お腹がパンパンに張って硬い

  • 胸の痛みや圧迫感、背中の痛みを伴う(心筋梗塞などの可能性も)

  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)

これらの症状は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍からの出血や穿孔、重度の胃炎、膵炎、胆石症、虫垂炎、さらには心臓疾患など、緊急性の高い病気のサインである可能性があります。

また、上記のような緊急性の高い症状でなくても、

  • キリキリとした痛みを頻繁に繰り返す場合

  • 高齢者の方 

  • 持病(糖尿病、心臓病、腎臓病など)のある方

  • ピロリ菌感染の既往がある、または除菌歴がない方

  • 胃がんの家族歴がある方 

などは、一度専門医に相談することをおすすめします。


4. 病院ではどんな検査・治療をするの?

医療機関を受診すると、まずは詳しい問診が行われます。いつから、どんな痛みか、食事との関連、他に症状はないか、普段の生活習慣、服用中の薬、既往歴などを詳しく伝えてください。

その後、必要に応じて以下のような検査が行われます。

  • 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査): 口または鼻から細いカメラを挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察します。炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの有無や程度を診断する上で最も重要な検査です。必要に応じて、組織の一部を採取して病理検査(生検)を行ったり、ピロリ菌の存在を確認したりすることもできます。鎮静剤を使用して、苦痛を少なく検査を受けることも可能です。

  • ピロリ菌検査: 胃カメラを使わない方法として、尿素呼気試験(検査薬を飲んで呼気を調べる)、血液検査(抗体検査)、便検査(抗原検査)などがあります。胃カメラ時に組織を採取して調べる方法(迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法)もあります。

  • 腹部超音波(エコー)検査: 肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓など、胃以外の腹部臓器の状態を調べます。胆石症や膵炎などが疑われる場合に行われます。

  • 血液検査: 炎症反応(白血球数、CRP)、貧血の有無(赤血球数、ヘモグロビン値)、肝臓や膵臓の機能などを調べます。

  • 腹部X線(レントゲン)検査: 腸閉塞や消化管穿孔などが疑われる場合に行われることがあります。

  • バリウム検査(胃X線検査): バリウム(造影剤)を飲んで、胃の形や粘膜の状態をX線で撮影する検査。最近は胃カメラが主流ですが、健診などで実施されることがあります。

これらの検査結果と問診内容を総合的に判断し、診断が下されます。

治療は、原因となっている病気や症状の程度に応じて行われます。

  • 薬物療法:

    • 胃酸分泌抑制薬 (PPI, H2ブロッカー): 胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシアなどで中心となる薬剤。

    • 胃粘膜保護・修復薬: 胃炎や潰瘍の治療補助として。

    • 胃運動機能改善薬(消化管運動機能改善薬): 機能性ディスペプシアや胃もたれに対して。

    • ピロリ菌除菌療法: ピロリ菌感染が確認された場合、胃酸分泌抑制薬と2種類の抗生物質を1週間服用します。

    • 抗不安薬・抗うつ薬: ストレスが強く関与している場合や、機能性ディスペプシアの一部で処方されることがあります。

    • 漢方薬: 症状や体質に合わせて処方されることがあります。

  • 生活習慣指導: 食事内容の見直し、食事時間や食べ方の指導、ストレスマネジメント、禁煙・節酒指導などが行われます。

  • 内視鏡治療: 早期胃がんやポリープの切除、潰瘍からの出血に対する止血処置などが行われます。

  • 手術: 進行胃がんや、潰瘍による穿孔などで必要となる場合があります。


5. 胃のキリキリ感を予防するために心がけたいこと

胃の不調は、日々の生活習慣を見直すことで予防できる場合があります。胃を健やかに保つために、以下の点を意識してみましょう。

  • バランスの取れた食生活:

    • 1日3食、規則正しい時間に: 特に朝食を抜かないようにしましょう。

    • 腹八分目を心がける: 暴飲暴食は避ける。

    • よく噛んでゆっくり食べる: 消化を助け、満腹感も得やすくなります。

    • 消化の良い食品を選ぶ: 脂肪分や刺激物の多い食事は控えめに。野菜や果物もバランス良く摂取しましょう。

    • 寝る直前の食事は避ける: 就寝の2〜3時間前までには食事を済ませるのが理想です。

  • ストレスマネジメント:

    • 自分なりのストレス解消法を見つける: 趣味、運動、音楽鑑賞、友人との会話など。

    • 十分な睡眠と休息: 質の高い睡眠は自律神経を整えます。

    • 完璧主義を捨てる: 物事を柔軟に捉え、リラックスする時間を持つ。

  • ピロリ菌の検査・除菌:

    • 特に胃の不調を感じる方、胃がんの家族歴がある方は、一度ピロリ菌の検査を受けることを検討しましょう。感染が確認された場合は、医師と相談の上、除菌治療を受けることで、胃炎、潰瘍、胃がんのリスクを減らすことができます。

  • 禁煙・節酒:

    • 喫煙は胃の血流を悪化させ、防御機能を低下させます。禁煙は胃の健康にとって非常に重要です。

    • アルコールは適量を守り、休肝日を設けるなど、飲み過ぎに注意しましょう。

  • 定期的な健康診断・胃がん検診:

    • 特に40歳を過ぎたら、定期的に胃の検診(胃カメラなど)を受けることをおすすめします。胃がんは早期発見できれば治癒率の高いがんです。

  • 薬の服用に注意:

    • 解熱鎮痛薬(NSAIDs)などを自己判断で長期間服用するのは避けましょう。服用が必要な場合は、医師や薬剤師に相談し、胃薬を併用するなどの対策をとることもあります。


6. まとめ:胃のサインを見逃さず、適切なケアを

胃がキリキリと痛む原因は、ストレスや食生活といった身近なものから、胃炎、潰瘍、さらには胃がんといった病気まで多岐にわたります。

一時的な痛みであればセルフケアで様子を見ることも可能ですが、痛みが続く場合や、吐血・下血などの危険なサインが見られる場合は、決して放置せず、早めに消化器内科などの専門医を受診することが重要です。

胃カメラなどの検査で原因を特定し、適切な治療を受けることで、症状の改善はもちろん、将来的な病気のリスクを減らすことにも繋がります。

また、日頃からバランスの取れた食事、ストレス管理、禁煙・節酒などを心がけ、胃に優しい生活を送ることが、キリキリとした痛みから解放されるための最も確実な方法と言えるでしょう。

あなたの胃が発するサインに耳を傾け、健やかな毎日を送るための一助となれば幸いです。


【監修】 かくたに内視鏡消化器内科クリニック




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